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バルセロナのライカールト監督に集まる感謝と賛辞の声(スポーツナビ)11日20:56

Sun, 11 May 2008 20:56:13



 バルセロナは11日、ホームにマジョルカを迎える。すでにシーズン終了後の監督交代が発表されているため、ライカールト監督にとってはホームでのラストゲームとなる。ここ2シーズンは無冠に終わり、ラポルタ会長からも「サイクルの終えん」が宣言されたバルセロナ。しかし、ライカールト監督がチームを率いた5シーズンで、リーガ・エスパニョーラ優勝2回、欧州チャンピオンズリーグ(CL)優勝1回の偉業は、今後もクラブ史に残ることになる。

 ライカールト監督は戦術的な柔軟性の欠如や、選手に対する甘さなどを非難されるケースが多かった。しかし、指揮官としての仕事ぶりの前に評価されているのは、人間としての器の大きさ、誠実さだった。マジョルカ戦の前日会見でライカールト監督は「バルセロナで働くことができたのは大きな名誉だった」と発言したが、その言葉を受けて11日付の『スポルト』紙の一面トップには、「大きな名誉だった(われわれにとっても同様だ)」という文字が踊った。また、『ムンド・デポルティボ』紙もライカールト監督の写真を使いながら、一面トップに「紳士」の文字。マドリーに本社を置く『マルカ』紙も、担当記者が「最後までエレガント、洗練されていた」とコラム内でライカールト監督の人間性を高く評価した。

 10日の会見でも、ライカールト監督はラポルタ会長やフロント、選手たちへの批判やネガティブなメッセージは一切語らず、逆に会長や選手を擁護する発言を行っていた。その上で、「良かった時のこと、ここで得た人間としての友情関係を心の中にしまって去りたい」とコメントした。

 前節のレアル・マドリーとの“クラシコ”での大敗(1−4)を受け、この試合に駆け付けるファンからは、ラポルタ会長や選手に大きなブーイングが飛ぶことが予想される。だが、こうした状況下でもライカールト監督には感謝や賛辞、そして別れを惜しむ声が挙がることになりそうだ。実際、『スポルト』紙のアンケート内では、「彼の名前をコールしたい」というファンが55%、「彼を支持する横断幕を掲げたい」とするファンが33%と、合計88%がホームでのラストゲームでライカールト監督へ感謝の気持ちを贈りたいと答えている。同紙が集めたファンからのメッセージには、「“さようなら”ではなく“またすぐに会おう”」というものもあった。

 ここ2シーズンのファンやメディアの反応を見れば分かる通り、バルセロナほどのビッグクラブともなれば、無冠に終わるシーズンがあれば即座に大きな批判や疑惑の目が向けられる。数シーズン前にいくらいいサッカーを披露していようが、いくらタイトルを獲っていようが、そうした過去はすぐに忘れ去られてしまうものだ。ただ、退任が発表されたこの時期に、ファンやメディアから日増しに感謝と賛辞の声が大きくなっている現実は、タイトル獲得と並ぶくらい価値のあることかもしれない。

「バルセロナのファンにどのように覚えていてもらいたいですか?」と聞かれ、「ファンの好きなように」とさらりと答えるエレガントさ。そして、マジョルカ戦での主役になるであろうにもかかわらず、「拍手するならクラブやグループに」「ブーイングされるなら、グループにいる以上、私にも向けられるべき」と語る謙虚さ。『スポルト』紙の一面トップにあった通り、今後はバルセロナにかかわる人間の多くが「われわれにとっても名誉だった」と、ライカールト監督と過ごした日々を振り返ることになるだろう。

-Ichiro Ozawa from Spain-

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