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悪い物価上昇で経済規模は縮小 1−3月期GDP年3・3%増(フジサンケイ ビジネスアイ

Sat, 17 May 2008 08:26:43



 ■どんどん遠のくデフレ脱却 

 内閣府が16日発表した1〜3月期の国内総生産(GDP)速報で、総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターのマイナス幅が拡大し、政府が目標にしていた2007年度のデフレ脱却はまたしても果たせなかった。ただ、身の回りでは、値上げが相次ぎ、消費者物価指数(CPI)は3月まで6カ月連続のプラス。インフレに身を縮める生活実感と統計の間の乖離(かいり)は広がるばかりだ。

 1〜3月期で物価変動を除いた実質成長率よりも、物価変動を反映させた名目成長率の方が低くなる「名実逆転」が5期連続となった。実質と名目の乖離を示すGDPデフレーターもマイナス1・4%で、前期の07年10〜12月期に比べマイナス幅が拡大した。

 成長に伴い物価が上昇していく正常な経済では、名目が実質を上回り、デフレーターもプラスになるはずで、統計は物価が継続的に下落するデフレ状態にあることを示している。

 1〜3月はCPIがプラスで推移していたにもかかわらず、なぜデフレなのか。原因は、統計の“操作”にある。

 本来、物価はモノに対する需要の拡大に伴い上昇し、モノが売れることで賃金も増え、さらに需要が拡大し、物価も上昇していく。こうした「良い物価上昇」に対し、現在は原油や小麦などの輸入価格の上昇による需要の拡大を伴わない「悪い物価上昇」だ。

 輸入物価の上昇は外国に支払うお金が増えるだけで、GDPにはマイナスに作用する。

 このため、輸入物価の伸びは名目成長率から差し引かれ、物価変動は関係ない実質成長率との乖離はかえって広がることになる。

 円高も統計上のデフレの“戦犯”の一人だ。

 円高は円ベースの輸入物価の上昇を抑制する効果もあるが、同時に輸出の際に受け取る代金も目減りし、輸出物価が下落したことになる。

 そもそも、物価下落は国民生活にとって悪いことではないが、それに伴い経済規模が縮小していくところに問題がある。

 そういう意味では、輸入物価の上昇で国民の所得が海外に流出する一方で、輸出物価の下落で日本の取り分が減っていくという現状は、まさに「デフレ的経済状況」といえる。

 大田弘子経済財政担当相は16日の会見で「一歩前進」と評価したが、現実のデフレ脱却はどんどん遠のいている。(石垣良幸)

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