五輪ランキング対象大会の最終戦で踏ん張り、滑り込みで北京行き切符を獲得した。ビーチバレー女子の佐伯美香(36)=ダイキ=は「バレー人生の中でも、これほどドキドキしたことはない」。日焼けした顔をほころばせ、「ママさんでも頑張れることを証明したかった」。6歳の息子を持つ日本のトッププレーヤーが胸を張った。
バレーボールの6人制で1996年アトランタ五輪に出場後、世界と渡り合える舞台を求めてビーチバレーに転向。砂の上でも、持ち前のスピードとレシーブ力を生かして台頭する。2000年シドニー五輪では、高橋有紀子とのペアで日本勢最高の4位に入賞した。
それを花道に、会社員の福井公彦さんと結婚して一度は現役を引退。02年に長男健太くんを授かった。コートの外からビーチバレーを見ているうちに、相手の裏をかく戦術や経験も武器になると気付き、競技への意欲が再燃。公彦さんの勧めもあり、復帰を決意した。
年間の大半は国内外の遠征や練習で家を空ける生活。夫に家事を頼み、幼い息子には寂しい思いをさせてしまった。だが、「現役に復帰した時から、シドニーで果たせなかったメダルを目指してきた」。一昨年からペアを組むアテネ五輪代表の楠原千秋(湘南ベルマーレ)とともに、苦しい五輪枠争いを切り抜けた。
「子供に五輪でプレーしている姿を見せてやりたい」という願いがかなう3度目の大舞台。支えてくれる家族の存在も力に砂上を駆け、ボールを追う。「シドニーの時とは違ったメッセージを送れる立場だと思う。母は強いぞ、と」(了)
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